僕たちの新プロジェクトの第1弾動画は、ツイッターでびっくりするくらいの反響を呼びました。従来のフォロワー/ファン ー つまりは多かれ少なかれ「エロ目的」、またはオナニストとしての共感から僕の、あるいはFくんの動画を楽しんでいた人たちのみならず、笑える動画目的、さらには普段はなんだか小難しいツイート・リツイート・引用ツイートをしている人たちに至るまで、様々に返信・引用ツイートで褒め称え(?)てくれたのです。曰く ー「キモい!が、キモい中にも真実の声がある!」「われわれが本当に『エロ』に求めているのは、実はこういう内面の吐露、そこから来る共感や驚きやインスピレーションなのだ」「もっとキモく、もっと長く、そしてもっとぶっ飛んだ動画をこれからも楽しみにしています」等々等々。



僕たちはさっそく、第2、第3、第4の早出し競争動画を、お互いの生活スケジュールの許す限りのペースで作っていきました。Y・りさに負けず劣らずの、僕たち2人の昔からのお気に入り、最新の注目新人、搦め手でアスリート、等々、オカズを選ぶのにああだこうだと候補になる女の子の名前を挙げてお喋りをする ー その時間すらもが僕たち2人の楽しみな時間となっていました。



じきに僕たちがどちらからともなく気がつき言い出したのは、「早出し競争」には限界がある、早出しを競ってしまうと当然射精までの、したがって動画の長さは短くならざるを得ず、またその間に繰り出す両者のキモ台詞が少なくなってしまう、ということでした。そこで僕たちが1ヶ月経つかどうかの時点で次に乗り出したのは、反対の「我慢動画」でした。「早出し」に関しても言えることでしたが、特に「我慢」となると、わざと自分の興奮を抑え気味にしちゃうといくらでも我慢が効き、したがって勝利がズルによるものになりかねない、というのが一抹の懸念材料としてありましたが、そこはさすがにお互い生粋のキモヲタ・オナニスト、自分の幻想を言葉に出してしごくということ自体に普通のオナニーにはない独自の興奮材料があり、また同時に、「ウソの我慢」をして勝利したとしても、最終的な射精の際の興奮度、快感、飛距離、量が少なくなってしまっては元も子もないというのが、僕たちの間であたりまえに共有できるコンセンサスともなったのでした。



僕たちの満を持した新基軸:射精我慢シリーズ第1弾のオカズは、2人のああでもないこうでもないという長めのディスカッションの結果、今をときめく...というほどではまだないものの、知ってる人は知っている、そしてその「界隈」でも熱狂的な支持を一部から得ている坂道グループのK・みくでした。僕は、そしてたまたまFくんも、周りに彼女のファンがいず、それどころか「どうってことない」「何がどう良いんだか」「正直性悪だろ」みたいな低評価・アンチ感情の対象にされているのが歯痒く、それゆえにこそいや増しに愛しさと思い入れがつのるという共通する意識を持っており、それはまた何というか ー 我慢して我慢して、愛おしんで愛おしんで、良がらせて良がらせて、そして最終的にお互いに高い高い絶頂を迎えて果てるという幻想のネタとしても最適なのではないかという面からもこの企画にぴったりなのでした。



ルールはこうでした。1ターンは約30秒。相手のターン中にもしごく手を止めたり「数式を思い浮かべ」たり敢えて萎えさせたりはしない。2人とものペニス(の勃起度)をチェックするカメラをワイプで第3画面で流しておく。勝ったほう、つまりはより長く我慢したほうも相手の射精後には速やかに射精する ー ズル防止、視聴者にも分かりやすいゲーム性、そして何より、たっぷりのキモ幻想文言を両者とも思う存分ぶちかませるように、というアイディアからで、第1弾動画には別撮りのこのルール説明をイントロに入れておきました。
(「5」に続く)